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野菜も人間も、ミネラル不足

今日は、先日の野菜のミネラル不足の話の続きです。

先日のブログの最後に、野菜のミネラル不足は、人間の健康にも悪影響を及ぼすと書きました。

当農園がミネラルにこだわっているのは、ミネラルの不足が単に野菜の健康のことだけではなく、それを食べる人間の健康に大きく係わっているからです

110707野菜ミネラル
(ミネラルの不足は単に野菜の問題だけではありません)

野菜のミネラル不足が、人間の健康に影を落としている代表的な例はマグネシウムです。


マグネシウムの働きの一つに、血管の収縮や弛緩(しかん)を調整する働きがあります。

現代人の抱える重大な疾患である「脳卒中」や「心筋梗塞」などの循環器系の疾患は、血管や筋肉の働きに支障が生じることで発症します。

それにマグネシウムの不足が大きく係わっているのです。


畑ではマグネシウムは「苦土(くど)」と呼ばれる肥料のことをいいます。
110707苦土
(当農園で使用している苦土肥料。海水からにがり成分を抽出・精製したものです)

豆腐作りに欠かせない「にがり」は「苦汁」と書き、海水から精製される塩化マグネシウムのことです。

以前、豆腐作りの体験をしたことがありますが、「にがり(苦汁)」をなめると本当に苦い味がしました。
「苦土」肥料をなめたことはありませんが、マグネシウムイオンがそういう味なのだそうです。

110707豆腐
(マグネシウムは豆腐を凝固させる成分でもあるのです)


そのマグネシウムも、今はほとんどの畑で不足しています

不足の原因は、野菜や作物に吸収され畑から搬出されてしまったマグネシウムを、肥料として補給出来ていないからです。

「苦土石灰」と呼ばれる資材を使われている農家もありますが、その中に含まれる「苦土」だけでは野菜が本来必要とするマグネシウムの量にはほとんど足りません。

作柄によって異なりますが、マグネシウムの吸収量は「チッソ・リン酸・カリ」と呼ばれる肥料の三大要素と石灰(カルシウム)に次ぐもので、野菜にとっては決定的に重要なミネラルなのです。


畑のマグネシウムが不足すると、当然野菜にも影響が出ます。

マグネシウムは野菜が光合成を行う「葉緑素」に欠かせない、最も重要なミネラルの一つ
不足すると野菜は光合成能力が低下し、健全な生育に必要な炭水化物を作り出せません。

110707葉緑素
(葉緑素の中心にはマグネシウムがあるのです)


野菜は、光合成が不足し炭水化物が減少すると、セルロースが薄くなり、病害虫に対する抵抗力が落ちます。
またビタミンなどの栄養価も低く、ブドウ糖の量も少ないので味も薄くなります

おそらく、現在流通している野菜の多くも、マグネシウムが不足しています。
近年、循環器系の疾患である脳卒中や心筋梗塞が増えているのも、野菜のミネラル不足が原因の一つとして考えられるのです。

その他にも、ミネラルが溶け出し、栄養価の下がった「水煮食品」の流通や、ハムやソーセージに含まれる「リン酸塩」と呼ばれる添加物が、ミネラルの吸収を阻害するなど、現代人の多くがミネラル不足に陥っている要因が他にもいくつかあります。

110707食べなきゃ危険
(現代病の背景にはミネラルの不足が・・・)

現代人のミネラル不足が引き起こす様々な症状については

小若順一・国光美佳 著
「食べなきゃ、危険! 食卓はミネラル不足」
(三五館2010年2月2日発行)


に詳しく書いてありますので、ぜひお読みください。


野菜のミネラル不足が人間の健康に及ぼす影響については、まだまだたくさんあります。

私もまだ勉強中ですが、今後、少しずつご紹介していきたいと思います。

今日はこれまで。

110707カエル
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畑にミネラルを取り戻す

当農園がミネラルに着目するのには理由があります。

それは日本の畑のミネラルが枯渇しているため、以前に比べ野菜の栄養価がひどく減少しているからです。

戦後、国が食品の栄養成分を分析してきたデータを比較すると、終戦からまもない1951年から2001年にかけて、野菜の栄養価が激減していることが分かります。


ホウレンソウ 100gあたり成分

1951年 ビタミンA  8,000㎎  ビタミンC 150㎎  鉄分 13㎎
2001年 ビタミンA    700㎎  ビタミンC  35㎎  鉄分  


ニンジン  100gあたり成分

1951年 ビタミンA 13,500㎎  ビタミンC 10㎎  鉄分   2㎎
2001年 ビタミンA  1,700㎎  ビタミンC  ㎎  鉄分 0.2


文部科学省発行  食品成分分析調査より



野菜の栄養素の低下にはいくつか理由があります。そのうちの大きな理由の一つが土壌中のミネラルの減少であると当農園では考えています。


データで栄養素の数値が高かった1951年は、まだ農業の近代化がほとんど行われていない時代です。
化学肥料もほとんど使われておらず、畑に入れる肥料は家畜や人間の糞尿をならしたものが主流でした。

畑のミネラルの減少が始まったのは、この家畜や人間の糞尿から、化学肥料へと肥料の形態が変わったころだと思われます。

かつて人はその土地でできた野菜を食べ、自分たちの排せつ物を畑に戻して肥料にするという、循環型の農業を営んでいました。

元々畑にあったミネラルは、野菜となり、生き物の排せつ物となって、畑と人間の間をぐるぐる回っていたのです。

110701米
(稲は少し例外。田んぼは毎年、川や池から大量の水が流れ込むので、その水に含まれるミネラルで、最低限のミネラルを維持しているのです)


しかし戦後、化学肥料の急速な普及で、人間や家畜の排せつ物は肥料として使われなくなります。
さらに下水施設の発達で、排せつ物は浄化され、川や海へ流されるだけの存在になってしまったのです。

畑のミネラルはその供給源を絶たれ、野菜に吸収され、畑から出ていくだけの存在となります。

畑のミネラル成分が枯渇しているのは、私たち人間が知らず知らずの間に、ミネラルの循環を切断してしまったことに原因があるのです

110701カエル改
(ミネラルは人と畑の間を循環していました)

畑のミネラルが減少すれば、当然野菜に含まれるミネラルも減少します。

そしてミネラルが減少すると、野菜は光合成能力が低下します

つまり光合成で作られる炭水化物(CHO)の量が減るので、上記の栄養分析表のように、炭水化物が原料のビタミンなどの栄養素も低下しているのです。

110701マクワ苗
(野菜はミネラルがないと栄養素を作り出せません)

またミネラルが不足すると植物は様々な生理障害を起こします
病害虫に弱くなり、農薬がなければ育てられない状態になります。

人類は何千年もの間、農薬など使わなくても野菜を作り続けていました。
しかし現在、農薬を使用しないと農業が成り立たないのは、畑のミネラル不足に大きな要因があるように思われます。

110701キュウリ虫食い
(虫食いだらけのキュウリ苗を、ミネラルを含んだ畝に定植した様子)


失われたミネラルは何らかの形で畑に戻さなければ、決して増えることはありません。
当農園が積極的にカキ殻や海藻肥料を畑に入れているのは、海へ流れ出たミネラルを少しでも畑に取り戻したいからなのです。

実は、ミネラル栽培でできた野菜は「ミネラルが豊富な野菜」ではありません。
正確に言うならば「失われたミネラルを取り戻した野菜」という表現が適切です。


これからの農業は、否が応でもミネラルの重要性を迫られる時代になると思います。
なぜならミネラルの不足は、野菜だけではなく、人間の健康にも重大な危険をもたらすからです

ミネラルの不足が人間の健康に与える影響については、また後日。

長い解説にお付き合いいただき、ありがとうございました。




ミニトマトもミネラル×2

今日の鏡野町は久しぶりの夕立がありました。

雷もピカピカゴロゴロと近くまで迫ったので、夕方の農作業はストップ。
実家で一息ついたあとは室内業務の時間にあてました。

久々の夕立でした↓↓↓
110630夕立
(雨音と雷で、かなり賑やかな夕暮れ)


朝、畑では、先日花を咲かせていたミニトマトが小さな小さな実をつけていました。
110630ミニトマト
(昨年とは違う品種で、「小桃」という種類のミニトマト)


トマトは節水栽培をすることで糖度を高くする農法が主流になっています。
しかし当農園では水は控えめにするものの、極度に乾燥させる栽培はしていません。

理由はミネラルにあります。
土が乾燥してしまうと、トマトが土中のミネラル成分を吸収できないからです。

せっかく畑にミネラル肥料を蒔いているのに、節水栽培がいきすぎるとミネラルが無駄になってしまいます。
110630ミニトマト3
(野菜は土に水分がないとミネラルを吸収できないのです)


当農園はトマトにしっかりとミネラルを吸収させ、光合成能力を高めることで、糖度が高く、さらに味も栄養価も高い、極上のトマトを作ることを目指しています。

甘さや旨みの素であるブドウ糖も、野菜の栄養であるビタミンも、光合成で作られる炭水化物(CHO)が原材料だからです。


糖度だけを追求するならば節水栽培のほうが優れているのかもしれません。
しかしそれに加え、旨みと栄養価をプラスするには、ミネラルを吸収させる栽培方法しかないと当農園では考えています。

食べて美味しく、そして栄養豊富で体にもいい、そんなすごいトマトを作りたいのです。
 
110630ミニトマト2
(栄養は計測できませんでしたが、かなり甘くておいしかった昨年のミニトマト)


また、ミネラルを施肥することで野菜が健全に育つので、トマトの樹が健康に育ちます。
樹が健康で長持ちするので、収量も節水栽培に比べて多くなるそうです。

私もまだまだ経験不足なので、昨年はトマトの病害虫に悩まされましたが、美味しいトマトの秘訣は間違いなくミネラルにあると確信しています。

そんな確信のもとになっているのがこの本。興味のある方はぜひご一読ください↓↓↓
110630本
小祝政明著 『小祝政明の実践講座3 有機栽培の野菜つくり』農文協 2009年11月発行



畑にミネラルを入れると

先日の続き

週末は多忙な二日間でした。

昨日土曜日は、隣の真庭市で開かれた有機農業セミナーに参加し、今日は、朝から自家米用の田植えをしました。

田植えの様子は明日UPする予定で、まずは、先日、中途半端に終わっていたキュウリの葉の秘密からご紹介いたします。


先日、ブログで紹介した当農園のキュウリ。植えたばかりのころはウリハムシの標的だったものが、一週間で大きく様子が変わった話をご紹介しました。↓↓↓
110610キュウリ3
(最初に出ていた下の葉が虫被害を受け、後から出た上の葉は全く被害がない)

先日はこれを「光合成」能力が上昇したため、と解説しましたが、まずはその「光合成」についてお話いたします。


確か習った光合成・・・

中学校の生物の時間で

『植物はどの器官で「光合成」を行っているか?』

という質問がテストであったのを覚えておられる方も多いと思います。

あっさりと答えを言ってしまいますが、正解は「葉緑素」。

植物は葉緑素で太陽の光エネルギーを利用し、水と二酸化炭素を合成。そして炭水化物と酸素を作り出す。これが中学校のときにならった植物の最も基本的な生体反応です。

つまり植物は「葉緑素」がないと「光合成」ができず、細胞やセルロース作りに使われる「炭水化物」を作り出せないのです。
110612ミドリ
(読んで字のごとく、葉の緑の素 =「葉緑素」)

そしてその葉緑素の中心には、常にミネラルがあります。

ミネラルがないと「葉緑素」は正常に作用せず、欠乏すると葉の緑が薄くなり、やがて黄色っぽく、色が抜けたような感じになります。

その葉緑素の働きに大きく関係しているミネラルが、マグネシウム・鉄・マンガン・銅などの微量ミネラル
この微量ミネラルを土に入れ、植物に吸わせることで、野菜の「光合成能力」がUPするのです
110612ミネラル
(ミネラルの働きについては、主にこの二冊から学びました ※ブログ最後に参考文献で紹介)


ミネラルを含んでいるもの


葉緑素を作るのに大切なミネラルをどのようにして畑に入れるのかは、いくつか方法があります。

最近はホームセンターで液肥のミネラル肥料も販売していますが、当農園が使用しているのは粒状、あるいは粉状の肥料。

カルシウム(石灰)がメインですが、海の微量要素を取り入れたいならこういったものがおススメです↓↓↓
110612カキ殻
(カキ殻石灰  カルシウムだけでなく、海の微量要素が豊富に含まれる)

また、ミネラルを豊富に含んだ海藻を粉末加工したものや、豆腐作りにも使われる海水の「にがり」も肥料として非常に有効です。

「にがり」は塩化マグネシウムのことで、「苦土」肥料のことです。

「苦土」=マグネシウムは、葉緑素の中心をなすもっとも重要なミネラルの一つ。
「苦土」は、土壌分析をしていてもかなり減りが激しく、微量要素ではなく、多量要素的なイメージがあります。

土壌中の減りが激しいということは、植物がそれだけ吸収しているということなので、当農園ではキュウリやナスなどの長期取りの作物は、定期的に苦土の追肥を行っています


肥料の形でやる以外では、川のミネラルを活かします。

河原や土手に生えている葦(よし)などの川草を切り取り、堆肥を作ったり、有機物マルチとして活用しても、ミネラルを畑に供給できます。

川の水は、長い時間をかけて山から染みだしてきているので、土壌中のミネラル成分が溶け出し、当然、川草もそのミネラルを吸収して育っているからです。
110612川
(湧水、そして川の水はミネラルが豊富 川岸の草を有効活用して微量ミネラルを供給)

九州では川岸におい茂っていた葦で堆肥を作り、「食のノーベル賞」と呼ばれる「スローフードアワー」という賞を受賞された農家の方もいらっしゃいます。

川草である葦の農業への活用は、まだまだこれから広がりを見せていくかもしれません。



ミネラルを畑に投入することで、野菜の生育は大きく変わります。

冒頭のキュウリはその良い例の一つですが、ミネラルを施肥することで、その他にも大小さまざまな変化が現れます。

また折に触れて紹介をさせていただきますので、お楽しみに。


ちなみに、雨の日の朝、農園の前の道を横切っていたこの生き物。
まだ畑に入れたことはありませんが、たぶんいいミネラルを持ってます↓↓↓
110612サワガニ
(移動中の「サワガニ」。視線に恐怖を感じたのか、そそくさと逃げて行きました・・・)


参考文献
『有機栽培の基礎と実際』 小祝政明著 2005年 農文協 発行
『ミネラルの働きと作物の健康』 渡辺和彦著 2009年 農文協 発行




虫食い激減 キュウリの葉の秘密

今日は予報通り、午後から雨が降りました。

午前中にトウモロコシの草取りや、ナス・キュウリのミネラル肥料の追肥を行い、午後からは買い出しと、土壌分析。
雨の日は若干時間にゆとりがあるため、以前買って読めていなかった本も読むことができました。


ここ数日、畑のハプニングばかりを取り上げてきたので、今日は、順調に育っている第一弾キュウリをご紹介します。
こちらが現在の第一弾キュウリの様子↓↓↓
110610キュウリ
(現在背丈は60~70㎝ほど)

今のところ目立った問題はなく、苗を購入した当初すでに発症していた「べト病」も、樹勢が増すにつれ消えかかっています。

勢いのよいときのキュウリは葉がグッと上を向き、まるで羽ばたいているかのよう。

葉が上を向くということは、受光体制がよいということでより多くの光を葉で受け止め、少しでも多く光合成を行おうとしている証(あかし)なのです。
110610キュウリ2
(葉が上を向き、まるで羽ばたいているかのよう。受光体制が万全な証拠です)


ではなぜ、植物は懸命に光合成を行うのか?その答えは「炭水化物」を作るため。

光合成で作られた炭水化物は、植物の細胞作りとセルロース作りに振り分けられます。

光合成がたくさん出来たキュウリは、糖度も高く、セルロースも分厚くなるので、甘くておいしい上に、病害虫に対する抵抗力も上がります。

昨年のキュウリですが、この写真をご覧ください↓↓↓
110610キュウリ3
(古い下の葉は虫食いでボロボロ、でも新しく出来た上の葉は・・・)


これは昨年、ホームセンターで購入したキュウリの苗を、当農場に定植して約一週間後の写真です。

ホームセンターで購入した直後は、ふにゃふにゃの軟弱な苗で、植えた直後からオレンジ色の悪魔(ウリハムシ)が次から次へと押し寄せてきていました。

しかし、当農場の土の養分を吸収してから虫食いの被害が激減。

普通、新しくできた葉のほうが柔らかく虫の被害を受けやすいのですが、このキュウリは新しい葉にほとんど虫が寄り付かなくなりました。
110610キュウリ4
(他の苗も同じく。上の新しい葉はなぜか被害なし)


これが当農園の最大の特徴の一つ、光合成能力の上昇による効果です。

キュウリの光合成能力が高まり、炭水化物がたくさん作られるようになったため、炭水化物が原料のセルロースが頑丈になったのです。

セルロースが頑丈になれば、虫は葉をかじれなくなります。

逆の言い方をすると、虫の被害を受ける野菜は、表皮であるセルロースが薄く、光合成能力が不足しているということになります。
110610キュウリ5
(葉の表面には白い毛がいっぱい。これも虫から葉をガードしています)


では、なぜ当農園に植えたキュウリは、光合成能力が高まったのか?
それはこのブログのタイトル『太陽とミネラルの野菜』に秘密があります。

ミネラルこそが、野菜の光合成を活発にする大変重要な存在なのです。


続きは少し長くなりそうなので、また後日。
110610キュウリ6
(キュウリの受粉にご協力いただき、ありがとうございます)





プロフィール

オオバヤシカズヒロ

Author:オオバヤシカズヒロ
岡山の県北、鏡野町にある大林農園のブログです。

栽培品目は ジャガイモ、ニンジン、サツマイモなどの根菜を中心に、夏はマクワウリ、秋・冬は食用ホオズキなどの変わった作物も栽培しています。

安全で栄養価が高く、そして美味しい野菜作りを、植物生理と土壌科学の視点から追求しています。

また野菜だけではなく、そのほか様々な食品を通じて、人が健康であるためには何が大切なのかを探求しています。

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